叫び過ぎて喉が痛い...
The Hauntedの東京公演に行ってきた。
デスラッシュの重鎮として名を馳せているメタルバンド、The Haunted。
メタル界隈ではそれなりに有名なバンドであるが世間的にはそれ程浸透してはいないだろう。
メロディックデスメタルを世界的に広めたとして有名なメタルバンドAt The Gatesが解散し、メンバーだったBjorler兄弟(Gt.&Ba.)とErlandsson(Ds.)を中心として結成。
Vo.は初期はPeter Dolving、中期はMarco Aro、そしてまたPeterと時期ごとに変わって行ったが2012年にPeterが脱退。
続けてバンドのキーパーソンだったAnders(Gt.)やJensen(Ds.)までもが脱退し、一時期は解散かと不安が漂ったものの1年後には新体制が発表。
二代目ヴォーカリストのMarcoやErlandssonが無事復帰し、Six Feet UnderのギタリストであったEnglundが新加入。
そして、昨年には8th Exit Woundsを出し、Loud Park 2014に出演した。
僕にとってThe Hauntedはメロデス、デスラッシュ勢の中で上位に入る程好きなバンドだ。
HR/HMに目覚めてからメロディックデスメタルが特に好きになったジャンルであり、メロデス四天王の一角とされるAt The Gatesを漁っていた時に既に解散していたと知り、何だかやるせない気持ちになった。
しかし新バンドを結成していたと新たな情報を目にしてこのバンドを漁る他ないと意気込み、毎週毎週Disk Unionに行っていた(初めて聴いた作品は4thのRevolver、peter時代の中では1番好きなアルバムだ)。At The Gatesも後に活動再開していたと知った時には苦笑してしまったが。
僕はメタラー歴が2年半位しかまだないため、メタルを語るには幾分早い気がするがどうしてもこのバンドを語らずにはいられなくなったため今日の公演の感想を綴りたい。
Quattroに着いたのは18時過ぎ頃。
このライブハウスには何だかんだ来たことが無かったため少し迷うかなと思ったが、Disk Union付近に位置していたので割とサクサクと入場できた。
帰り間際にBOOKOFFに寄れるのは嬉しい仕様だ。
客層はまぁおっさんがほぼ占めていた。
意外だと思ったのはガチ勢と思われるおばさん達が居たこと。最近観に行ったMastodonや去年のBrutal Truth/Napalm Death/SxOxB公演にも女性陣が居たし、メタラーってのは幅広くいるもんだなと毎度毎度感心する。
待機BGMにはDark Tranquillityが流れていて良いセンスだなと思いながら公演開始時刻を今か今かと待ち続ける。
どうも会場着いてからの待機時間には慣れない。
たった30分ですらとても長く感じてしまうし時には苛立って一服するのを何回も繰り返してしまう。
そして2回目の場内アナウンスが終わり照明が消え始めた途端に会場は大盛り上がり。この瞬間は何度味わっても飽きずに気分が高揚するので好きだ。
セットリストは初期から新作までまんべん無く披露。
結論から言って最高としか言い様が無いliveだった。
彼らのliveは去年のLoud Parkで観たかったが、用事が重ね重ねにあって行かずじまいに終わりとても無念だった。そして年が明けてから単独公演があると聞いた瞬間心が踊り、公演発売日に即チケットを購入し、鼻歌交じりに代金を払いにコンビニへ行ったものだった。
まず観れて嬉しかったのがMarco Aro(Vo.)のパフォーマンス。
動画サイトでよくよく目にしてたが実際に目にしたのは初めてである。彼の咆哮はハードコア要素を感じるため聴いてて気持ちが良いしテンションが上がらない方がおかしいと思う。ブチ切れつつもしっかりとこなすスクリームにもこれまた度肝を抜かれた。
強面なスキンヘッドで写真のままのイメージであったがニコニコと笑いながらオーディエンスを煽ったり、手を上げろ!叫べ!などと分かり易く指示をしてくれたりとフロントマンとして申し分無い印象だった。
開始早々Cutting Teethを演奏してくれた時には自分も思わず何回もヘドバンしてしまった。
3rdのOne Kill Wonderの名曲であるD.O.A.の鬼気迫る叫びはもう感無量としか表現出来ない。
自分の立ち位置は右側でOla Englund(Gt.)のプレイを主に堪能出来た。
疾走しながらもきちんとソロを弾きこなせる所は流石だと思う。彼もまた温和な人柄でオーディエンスの目の前に来たりしながら弾いてたのは良かった。
ミドルテンポながらも上手くノらせる99のギターソロが特に格好良かったのが個人的な彼のハイライトだ。
リズムギターのPatrik JensenもEngludよりかは目立たないものの、しっかりとザクザク弾いていた。Patrikはまず格好良い風貌が印象強かったかな。たぶん街中で見掛けたら思わず二度見すると思う。歳を取ったらこういう格好良いオッサンになりたいものだ。
Jonas Bjorer(Ba.)は左右を行き来しながら充実にプレイ。At The Gatesのメンバーだけあって流石の貫禄だった。兄であるAndersonとの兄弟演奏はAtGだけでなくHauntedでも一度は目にしたい。
Adrian Erladsson(Ds.)は正直モッシュするのに夢中だったため、前の4人と比べてあまり見入ることが出来なかったが所々のタイトなドラミングやキックペダルが充分に伝わって来るのは理解できた。
新作の中ではTrend Killerが一番好きで、サビ時のドラムのドコドコドコドコと突き進む音が凄く好きであったためこれを聴けただけでも観に行った甲斐があった。
MarcoのMCもまた分かり易い英語で喋ってくれた。「今日のliveは俺の人生の中でも最高のショーだよ、ありがとう。」と言ってくれたのは例えお世辞でも嬉しい。
アンコールは初期の名曲を披露。
最近のセットリストを事前に調べていたので知ってはいたが、Dark Intentions、Bury Your Dead、Hate Songの流れは聴いてて最高に気持ちが良かった。
Slayerに勝るとも劣らない疾走感、これでもかという位に突撃感のあるデスラッシュ。この流れを実際に体験出来て本当に良かった。
ラストのHate Songには周りも爆発的な盛り上がり。ヘイソンッ!ヘイソンッ!こればかりは叫ぶ他ないね。最後のモッシュサークルには我慢できずに参加した。久々に参加したので多少怖気付いてはいたが、爆音の中走り回るのはやはり楽しい。
最後の最後まで楽しめた公演だった。
公演時間は約70分弱。欲を言えば1stからChock HoldやBullet Hole、4thからGodpuppetやEverlastingなど聴きたい曲は他にもまだあった。
単独とは言ってもスラッシュ系なので致し方無いと思うがそれでもアンコールして欲しいと思わざるを得なかった。
年内には新譜を出す予定だとアナウンスしているし、次回の来日にまた期待したい。