Kill For A Dream

音楽、アニメ、漫画についてひそひそと...

Leave Them All Behind 18' 感想

 

 

 

長い間更新せずに放置してしまった当ブログであるが、どうしても書き綴りたくなったので投稿したい。

 

 

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ドゥーム/ストーナー/スラッジ界において最も"""Dope"""なバンド、Sleepの来日公演に行ってきた。それも2日間もである。

来日公演の企画が昨年Daymare Recordingsから発表された時、僕はこのSleep 来日というワードを見て思わず「え、嘘でしょ?嘘だよな...?」と二度見してしまった。

ドゥームメタルバンドの来日はわが国ではあまり需要があるとは言えないし、数年または10年に中堅のビッグネームのバンドが1度来るか来ないかのレベルだと思う。だからレジェンドとされるSleep等は最早本国であるアメリカや他国のフェスで観る他無いだろうなと薄々感じていたのだった。まさか日本でSleepを観られる日が来ようとは想像だにしなかった...。

 

 

東京公演初日である12日では、恵比寿リキッドルームにて開催。

会場に入る際あまりにも興奮し過ぎて入場前に掲示されていたフライヤーを撮るのを忘れてしまった(後々撮ろうと思ったものの、とある外国人がそれを取って帰ってしまったため結局撮れずじまいに、地味に悔しい...)。

 

そしてライブは19時からスタートした。まず、トップバッターは日本を代表するヘヴィロック・トリオBoris

昨年の年末の単独公演でも彼らを観ていたがBorisにしか出せない轟音はやはり何度観ても素晴らしい。1st『Absolutego』や2nd『Amplifier Worship』を彷彿とさせるドローン/スラッジドゥームテイスト満載の最新作『Dear』中心の楽曲を今回も披露。耳栓をしていても身体全体に振動し響き渡る音は何度聴いても凄いと思わされる。ドローン一辺倒な展開とは決して無く、時折魅せる歌謡ロック風なサビもありまさに剛と柔が合わさったヘヴィロックサウンドなのだ。この音楽性はこの人達にしか成せないのだなあと感心する。

中盤でサプライズゲストにMutoid Man(ex.Cave In)のStephen(Gt./Vo.)が登場。

ツイン/トリプルギター編成でまさかのヘヴィロックチューン「あくまのうた」が。去年の単独公演においてもENDONのGt.とVo.がゲスト出演して披露していたが、やはりこの曲はインストのみの方が素晴らしい。ストレートなギターフレーズが聴いててとにかく堪らないのだ。会場を温めるにはもってこいのゲストショーであった。

 

 

そして20時30分辺りからオーディエンスが待ちに待ったSleepの登場。

サウンドチェックの時から既に僕も含めた観客の熱量が凄まじかったのを鮮明に覚えている。ステージ前のカーテンが開かれるまで、本当に彼らは来日して今ステージ奥に居るのだろうか...?と半信半疑な気持ちが演奏開始前まで拭えなかったが、去年シングルとして出た「The Clarity」のイントロが聴こえてきた瞬間に「マジなんだ...マジでSleepが今ここでサウンドチェックしてるんだ...」と段々と現実味を帯びた思いになった。

そしてあのストーナーメタルの大法典『Dopesmoker』の序盤のリフからカーテンの幕が開かれた。ここで観るまで何周もしていたあの音と共に演奏陣の顔ぶれが見えた瞬間鳥肌が立ったのが今記事を書いてる間にも思い出す事が出来る。セットリストは既にSNS上で出ているので割愛。

 

 

Sleepはドゥーム/ストーナー/スラッジにおいてだけでは無く、ヘヴィロック史においても重要なバンドであろう。それだけは否定しようのない事実なのだ。

 

 

スタジオ音源以上にヘヴィな音作りにまず驚かされた。まさかBoris以上に"""轟音"""が自分の耳に響き渡るとは観るまでに思いもしなかったのだった。僕は一応耳に支障をきたすのを恐れて耳栓を付けていたが、付けている意味など無いかのように通り抜ける厚みのある音だった。

Matt Pike(Gt.)の繰り出すヘヴィなリフはリキッドルームの環境のせいなのか、PAが上手く調整してくれたのかは分からないがとても心地良い音であり、興奮し過ぎてドリンク交換さえしてなかったシラフな僕でも充分酔いしれるものであった。High on Fire活動初期のレミーライクなマッチョな風貌とは程遠いファットな体型ではあったが、それが返って今現在のSleepが目の前に居るという事実を表していて(何言ってんだこいつと書いてる僕も思うのだが、本当に来るのかどうかわからなかったのだから仕方無い...許して下さい汗)コレこそがストーナーリフメーカーの重鎮たる佇まいなのだと感じ取れたのであった。

『Dopesmoker』のワンリフは彼あっての成せる業である。約30分間演奏が続いたと思われるが体感的には10分位にしか感じられなかった程あっという間であった。まさにエルサレムへの道へと手を取って連れて行かれるような幕開けであった。

そして『Sleep's Holy Mountain』のハイライトチューンである「Holy Mountain」が。

ここからはAl Cisneros(Ba./Vo.)、Jason Roeder(Dr.)も徐々に存在感を表していく。一見Sleepの根幹はMattにあると思われがちだが、真の核はAlのベースラインにあると思う。Omの作品を聴いてからは僕はそう思い始めていたし、彼らのライブを観てそれは確信に変わったのであった。ギターに負けず劣らずな低音がサイケデリックさをより増長させ、ストーナー特有のスモーキーな音となっていく。これがもう本当に最高なのだ。

また、Jasonのドラミングは経験者では無い僕でも凄味が感じ取れた。Neurosisにおいては然程分からなかったのだがSleepがライブバンドたる所以は彼にあると言わざるを得ない。誤解を恐れずに言うならば、MelvinsのDale Croverのドラムを彷彿とさせた。タメの効いたリズム、ズレからの一転力強いショットがバンドサウンドを強靭なものにしていた。スタイルは異なるだろうが、昨年観たSumacのDr.であるNick YacyshynやMantarのDr.であるErincと同様に思わず凄いなと口にしてしまったドラマーであった。

 

「The Clarity」はOmのような宗教的な雰囲気が合わさったスペーシーな曲で、ライブにおいても同様に感じ取れた。もし、彼らが新作を作るならばこのような曲が多くなるだろうと思う。

 

「Dragonaut」のあのイントロが聴こえた瞬間、会場のボルテージは最上級に上がったと思う。中には興奮のあまり泣き始めた人も居て、その近辺に居た僕も思わず貰い泣きしそうになった。中盤のエピックな展開からモッシュやサーフが発生。気持ち的に分からなくも無いのだが、流石にちょっと違うなと違和感を感じてしまった。ドゥームにサーフやモッシュは場違い感があると思うし、こればかりは最後まで首を傾げていた。

その他「Aquarian」、「Sonic Titan」など近年披露しているセットリストで展開。

 

そして2ndの終盤で聴く名曲「From Beyond」が。静と動の展開がスタジオ音源よりも更にスローで構成されていて、まさにドゥームここに極まれりと言った所であった。ドゥームメタルは遅くてなんぼのジャンルである。僕は上記の曲よりこの曲が2ndの中で1番好きだしこの最遅なアレンジが堪らなく気持ちよかったのだった。

 

「Nain's Baptism」、「Cultivator」から「Dopesmoker」の後半が始まった。まさか後半の部分をラストに持って来るとは思いもしなかったので、僕は「マジで!!??ここからDopesmokerの最後演るのかよ!!!」と感極まって叫びそうになった。原曲とただ同じ進み方ではなくJerusalem(Part.4)で見られるリズムチェンジの際の半音下げフレーズを更にアレンジし反復。ドゥームはコレが最高なのだ。昨年末で観たChurch of Miseryでも同じ事を演っていてコレこそドゥーマーが聴き惚れる場面であり、聴いてて良かったと心の底から思わせてくれる瞬間であったのだ。

 

約110分は演奏していたと思う。アンコールは無し。演奏終了後、フィードバックのノイズを垂れ流しにしたままメンバーは舞台裏へと去って行った。最後の最後まで神々しいギグであった...。

 

2日目の『Sleep's Holy Mountain』再現liveも無論最高と言う他無いライブだったし(感想については初日を書くので精一杯だったので少し落ち着いたらまた書きます...)、2日合わせて2万円以上出してもお釣りが来ると思える程の充実した内容だったと思う。僕はこの2日間は自分が今まで観たライブの中でベスト5には絶対入るだろう(勿論、新年早々今年度ベストアクトは自分の中で不動のものとなった)と断言出来る。ヘヴィロックとは何であるか、ストーナーとは何であるかを身体の隅々まで味あわせてくれたSleepのライブを観れた事は僕にとって決して忘れることのない体験であったと言えよう。

来日公演を企画して下さったDaymare Recordingsさんに心から感謝を伝えたい。