Kill For A Dream

音楽、アニメ、漫画についてひそひそと...

Black Summer Vol.2

 

 

梅雨の季節特有のジメジメした空気が肉体的にも精神的にも襲い掛かってくる。

 

快晴でも無いのに暑さが一変しないこの梅雨が僕は特に苦手であり、大学やバイト先に通学通勤するだけでも苦しい思いをする。到着後には顔に汗が垂れている事もしばしば。フェイスタオルが常に欠かせないのが何とも哀れだ。「暑いね~w」と言いながら汗1つかいていない周りの大学生がいつも憎たらしい。

 

 

鬱憤した思いを晴らすためにこの企画ライブに行ってきた。

 

 

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日本が世界に誇るドゥームメタル3バンドによる三合会ライブである。

 

僕はこの企画の全容を4月のGREENMACHiNEの新作EPツアーの都内公演で知り、グリマシを今年の夏にまた観れると同時にドゥーム/ストーナーメタルの重鎮達も参加するという豪華なラインナップに思わずニヤけてしまった。そして、この時期が試験期間の真っ只中であるにも関わらずチケットをすぐさま購入しこの日を待ち続けたのだった。

 

 

新代田Feverに着いたのが入場時間の15分前。

 

 

Feverにはまだ行った経験が無く、どこなんだろうとマップを参照しながら改札を出た所すぐ目の前にあった。奥行きのある造りで然程窮屈な思いはせずいざライブが始まっても快適に過ごす事が出来たのが好印象でしたね。

 

 

トップバッターは名古屋のストーナーロックバンドEternal Elysium

僕はこのバンドを初めて観たのが今年1月に開催されたDIWPHALANX RECORDS
20th ANNIVERSARY公演であり、渋味のあるストーナー/ブルースロックサウンドを演っていたのが良かったので今回のライブも密かに楽しみにしていた。

 

いや、予想以上に凄かった...。

 

新作を近頃発表したのが契機になったのかは分からないが前回以上に熱量のあるサウンドで始まる前までワイワイしていた会場の空気を一瞬で一変させていた。

何と言っても目を見張ったのが海外勢に勝るとも劣らない王道ストーナーサウンド。

CathedralやElectric Wizard、Orange Goblinそして彼らを抜かして語ってはならないBlack Sabbathなどが得意とする序盤はひたすらスローで展開しつつ後半から徐々にヒートアップする展開は聴いてて本当に気持ちが良い。この音を好きになるのに随分時間が掛かったなあ...としみじみ耽りながら彼らの音を堪能していた。

外国人の女性Bass(Vo.)と岡崎氏(Vo.&Gu.)が交互に歌うシーンはもしかして僕は今Electric Wizardを観てるんじゃないのかと錯覚しそうになった。EWはツインボーカルでは無いけども。新作は早急に手にしたいですね(2枚しかまだ持っていないなんて口が裂けても言えない)。

 

 

次に登場したのが金沢が誇るUltra Primitive Hardcore Rock BandことGREENMACHiNE。

個人的ハイライトはやはり彼らしか居ない。グリマシはいいぞ(遅過ぎるガルパンネタ)

去年の池袋手刀公演から一瞬で虜になり、DIWPHALANX RECORDS20周年公演やFor The Night And Blood EPツアーと計3回程観てきたがどれも最高だったし今回もまた大変素晴らしい内容であった。

全身に突き刺さるような轟音で繰り出すハードコア/スラッジサウンドは唯一無二としか言い様が無いだろう。3rdの名曲「Black Summer」から始まると会場の空気が途端に熱くなった。新作EPからも満遍なく披露しオーディエンスも徐々にノッてきた。僕がほぼ最前列に居たため前列だけが異常に盛り上がってただけなのかもしれないが。

そして2ndの名曲「Burdens of Karma」にNepenthesのSuto(Gu.)氏が参加し、Monzawa(Gu.&Vo.)氏がなんとピンボーカルで咆哮。僕は彼らをまだほんの1年足らずしか観ていないが、この瞬間を間近に観てヘヴィロックというジャンルを好きになれて本当に良かったと感激したのであった。感極まって叫んでしまう位アツ過ぎる演出だった。

僕が個人的に好きなスラッジナンバー「D.A.M.N.」が聴けなかったのは少し残念だったが、最近披露してなかったであろう「Knowledge」が聴けたのは嬉しかった。

そして最後にはお決まりの「Hammer and Burner」で締め。最後にこの曲が来ると分かってはいても最高に盛り上がるからズルいんだよなあ...。Motörheadのあの曲を思わせるロックンロールなリフ&リフでひたすら首を振る他ない。盛り上げ役として申し分ない最高のライブだった。

 

 

この時点で力尽きた僕は後ろに下がり一杯飲みながら一服して休憩。終始最前列に居続ける人達の体力の凄さを思い知った。

 

 

そしてトリは東京のドゥームメタル/ヘヴィロックバンドNepenthes。元Church of Miseryの根岸氏(Vo.)率いる...なんて肩書はもう説明不要だろう。

最終日の最後であるためか会場の盛り上がりが半端ない。同時に怖いお兄さん達がゾロゾロと前に進んで行ったのが少し面白かった。

Nepenthesは昨年の12月単独公演、4月のNoothgrush Japan Tourのアースダム公演と2回程しか観ていないが前回前々回よりもバンドとしての凄味が増している印象であった。「相剋」の闇に引きずり込まれるようなドロドロしたギターワークから始まり重々しい展開で幕を開けた。やっぱりドゥームはこうでなくては。そして最早彼らのアンセム曲と化した「cease」「fool's gold」が。

ネペの何が凄いのかってドゥーミーな曲もそうだけどceaseのような荒々しいロック調の曲も同じくらい格好良い所だろう。速いとか遅いとかそんなのはお構い無しと嘲笑うかのように"ヘヴィ"な音を出すのがとにかく堪らない。根岸氏だけでなく各演奏陣も果敢にプレイする事によって一層曲がギラギラして輝く、観客もまた負けじと叫ぶ。こうしてバンド側とオーディエンス側が共に一体化した瞬間をロックと呼ばずして何と呼ぶのだろうか。この熱が冷める事を知らない光景を後ろから眺めながらふとそう思ったのだった。

 

 

きっとどのジャンルにおいても言えるのだろうが、ライブハウスに行き両者のアツい思いを共有するあの空間は実際に行ってみなければ決して味わう事の出来ないものに違いない。

 

 

 

思う存分堪能できたし、後は試験に専念するのみ。

来月も行きたいライブがあるのでそれを糧にして精進せねば。