Kill For A Dream

音楽、アニメ、漫画についてひそひそと...

Sun of Nothing

 

 

 

凍えるような寒さにも幾分慣れてきた2月中旬。

 

 

怒涛の後期末試験が終わり絶賛春休み中なのだが、世間一般の大学生とはかけ離れた大学生なのでスノーボードやスキー合宿などで冬景色の中青春を謳歌しつつゲレンデマジック...とは全くならない。

 

こたつを今年から取り入れ、翌日にバイトがあろうとなかろうと早朝まで暖を取り、ふと気が付けば昼過ぎまで寝ているこの生産性の無い生活こそ僕にとっては最高の春休みなのだ(打っていて惨めになる?そんなことはありません、断じてありません)

 

 

 

怠惰な生活を送っていても欠かさずやる事とは何かと聞かれたらこれしか無い。

 

 

プログレメタル・カオティックコアの雄、Between The Buried and Meの来日公演に行ってきた。

 

 

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HR/HMにハマりたての頃、プログレメタルにも入り浸ろうと思いDream Theaterを始め代表的なバンドを漁っていた。

その中で僕が最も衝撃を受けたのがこのBetween The Buried and Meだ。

 

ジャンル的にはプログレメタルに分類されるのだが、端的に言えばマスコアやメタルコア、カオティックハードコア、ジャズロック要素なども含めたごちゃ混ぜ感満載のエクストリームメタルである。 

 

彼らの名盤として名高い『Colors』を初めて聴いた時にはあまりの情報量の多さに理解が追い付かず、聴き終えた頃にはとんでもないバンドを知ってしまったな...と思わず苦笑してしまったのを今でもハッキリと覚えている。

 

他の作品にも言えるがどの曲も似通った展開を感じさせず、ブルータルなサウンドが続くかと思えば突如民族音楽が始まったり叙情的な展開になるなど聴けば聴く程面白いバンドだと思う。

 

プログレプログレメタルというジャンルについては様々な意見があるので多くを語るつもりはないが、この『Colors』はThe Mars Voltaの1st、『De-Loused in the Comatorium』と同様に00年代におけるエクストリームミュージックの名盤として評価されるべきだと僕は思っている。

 

去年出た新譜『The Coma Ecliptic』については、前記事で述べた通りプログレ的要素が強く、過去作品と同じく高品質な作品だと思うのだが彼らにしてはやや大人しめな印象であった。例えるのが難しいが誤解を恐れずに言うなら、Opethの『Heritage』の作風に近いと思う。後半になるにつれ彼らの十八番であるカオティックさが戻り結果としてそれ程悪くはないと思ったものの、僕は前作の『Parallax Ⅱ:Future Sequence』の方が良いかなと思ったのが正直な感想だ。

 

 

 

Club Asiaに着いたのがおよそ19時過ぎ頃。

渋谷に向かう際に地元の友人に偶然遭ってしまい、開場時間そっちのけで話し込んでしまったため慌てて向かう羽目になった。ライブを観る時に毎回思うけど時間通りに行けないのは本当に嫌な気分になる、今回はどう考えても自業自得なんだけども。

今回の公演の楽しみの1つであったPalmのライブが結局観れずじまいに終わってしまったので次回こそは観たい。

 

 

大急ぎでチケットを渡し、一服するのも後回しにして会場入りするとすでに人の山が。

前日の情報では今回の公演は客入りがあまり乏しくないと聞いていたのだが、ツアー最終日のせいなのか今日は9割方埋まってたと思う。出入り口から数歩歩くともう人が居る状態だったのでこれは音だけしか楽しめないな...と気落ちしながらも開演時間を待っていた。

10分程度待っていると照明が消え、ライブが始まった。

 

 

 

 

結論から先に言おう。最高

 

 

 

 

音源とほとんど変わらないクオリティーでただただ圧倒されたライブだった...。

 

去年観たMastodonでも同じ感想が言えるんだけど、とにかくもうカオティックでタイトなサウンド。僕が観るのはこれぞメタル!!!ロック!!!と振り切ったサウンドのバンドがほぼ占めているため、彼らのような技巧派集団を観るのはこれまた違う世界観を味わうことが出来た。

 

デスメタルなパートは疾走しつつもきっちりとこなし、プログレッシブなパートは自己陶酔に浸ること無くオーディエンスにじっくり聴かせるように展開する。アバンギャルドとはこういう音を指すんだろうなぁと彼らの演奏を聴きつつふと思ったのであった。

 

途中からモッシュピットが出来たので避けながら最前列から三列目辺りまで移動。

 

セットリストは新旧譜万遍なく合わせた曲順。

新譜からは「The Coma Machine」「Famine Wolf」「The Ectopic Stroll」の3曲を披露。

新譜は微妙だったと散々ほざいていた僕もこればかりは手の平を返す他ない。

過去作に比べアンビエントな方向にシフトした内容であるためか音の分離がハッキリと聴こえ、テクニカルなパートや合間にちょくちょく挟んでいるスラッシーなパートを十二分に堪能する事が出来た。新譜?クールだけどマストな1枚ではないなwwwwと豪語していた自分を殴りたくなった。

 

 

また『Colors』に収録されている「Foam Born (A) The Backtrack」「Foam Born (B) The Decade of Statues」、5th『The Great Misdirect』の「Mirrors」「Obfuscation」を立て続けに聴けたのも良かった。今回は新譜のツアーで来たんだし『Colors』再現liveではないと分かってはいてもあの続きをどうしても求めてしまう...何とも罪な曲である。

 

アンコールでは『Alaska』の名曲「Selkies:The Endless Obsession 」を披露し幕を閉じた。この曲は不穏なインストで始まってすぐさま疾走するから好きだ。Tommy Rogers(Vo.)の無機質なデスボイスってクリーンもだけど何故か癖になる。後半の叙情的な展開はまるで映画のエンドロールを観ているような気分にさせる、まさにアンコールにふさわしい曲だった。

 

 

一時間弱とたっぷりと楽しめたのだがあっという間に終わってしまった。欲を言えば『Colors』や『The Great Misdirect』、『Future Sequence』の曲をもっと聴きたかった。「Sun of Nothing」とか「Ants of The Sky」、「Swim to The Moon」「Lay Your Ghosts to Rest」「Astral Boy」「White Walls」などなど...、言い出したらキリがないんだけどやっぱり言いたくなってしまうよ。

 

 

 

次回作も楽しみだしツアーが実現したら是非行きたい。今度は時間厳守で。