うだるような暑さに悩まされる季節がやってきた。
毎度毎度のニュース番組で「今年は過去最高気温を随時更新しています。」というニュースを目にする度に、陰鬱になるような報告をわざわざ言う必要はないのでは...と独り言を呟くが、虚しく終わり部屋の中で暑さに苦しむだけなのである。
学生の身なので長い夏休みを貰ったものの、多大な量の課題の消化とバイトで消えてしまうのが恒例。
ごくたまに友人と飲んだりするが定期的に飲むわけでもない。
それ以外は特に外出せず、アニメや音楽観賞に暇を潰すのみ。ビバオタク人生。
この暑さの中で耐えながら出勤する社会人の方々には頭が下がる思いだ。
新鮮味のない生活を改善するため、とある企画ライブに行ってきた。
金沢が誇るUltra Primitive Hardcore Rock Band、GREENMACHiNEが都内に来ると聞いてこれは行かねばと思い暑さに負けずに観に行ってきた。
僕はメタルやロックに限らず国産のアンダーグラウンドシーンにはそれ程精通してはいない。
というのも、そのジャンル毎の先駆者たるバンドを漁るのに精一杯になってしまい、当然国外のバンドに焦点を当てることになり国産を漁るとなるとどうしても後手に回る回数が多くなってしまうのだ。
これもまた言い訳になってしまうがまだまだにわかな部分が多くあるため、その手の界隈でノリにノッてるバンドやレジェンドを知る機会があまり少ないのも理由の1つである。
そんな中、ドゥームメタルにハマったキッカケになったのがこのGREENMACHiNEとChurch of Miseryだった。
バイト先の同期の中にメタラーである人が居て、国産で格好良いバンドを教えてくれと聞いてみたところ、「それならChurch of MiseryとGREENMACHiNEが格好良いよ。」と教えてくれた。
それからDisk Unionで血眼になって探し、なんとかGREENMACHiNEの1st Album 「D.A.M.N」、2nd Album「The Earth Beater」を手にすることが出来た(3rdはitunesの方が安かったのでそちらで購入した)。早速インポートして聴いてみることにした。
そして「The Earth Beater」の#1 Burdens of Karmaを聴いて頭をぶん殴られるような衝撃を味わったのがおよそ半年前。
語彙力が乏しいためこのバンドの凄さを伝えることが難しいのだが、一言で言ってしまえば"""最高にクール"""なバンドなのである。
ストーナーロックを基盤としてドゥーム、ハードコア要素を上手く組み合わせていて、ヘヴィーなサウンドながらも爽快感が味わえる楽曲が多い。
ドゥームメタルの中でも比較的聴き易い方だと思うしロックが好きな人達にもアピールできるバンドだと思う。
国産の中でもこんなに格好良いハードコアバンドがいるのか...と改めて思い知らされたのだった。
会場に着いたのがおよそ18時前。
同期の人と行こうと思ったのだがあいにく都合が悪いらしい。
ぼっちで観るのにも慣れているので心細さもなくいざ受付へ。
ライブは既に始まっていて大急ぎでチケ代を払い、会場のドアを開けた瞬間ライブハウス特有のデカい音が身体に響いてきた。
トップバッターのG.a.t.e.sは元Church of miseryのVo.根岸氏が所属しているバンドということは知っていた。
動画で予習せずに観たが結果として格好良かった。
とにかく疾走するパンクサウンドで聴いてて気持ちが良かったし、何より根岸さんの叫びにキレが良くてもう言う事なしであった。
Ba.の人がDan Lilkerな風貌で個性的だったのが記憶に残っている。
音源が出たら是非手に入れたい。
2番目はThe 幻覚NEONS。
見るからにヴィジュアル系な人達で少し面食らったもののサウンドは正統派ハードロックで驚かされた。
Vo.のお姉さんがノリノリに盛り上げて会場もにこやかになってたのが印象に残っている。
3番目はRedsheer。
予備知識無しで観たバンドの中でかなり良かったのがこのバンド。
3ピースという構成なのにも関わらず音の厚みが凄くてまず圧倒された。
肝心の音楽性はというとThe Dillinger Escape Plan、Convergeといったカオティックハードコアを軸にenvyやheaven in her armsのような和のテイストを加えた叙情的なサウンド。
静と動の展開はまさに国産ならではの持ち味だなあと観ながら感心。
物販で音源が売っていたので購入しようと思ったものの、バンドTシャツ代の予算しか持っていなかった事を思い出し泣く泣く見送るハメに。
次こそは真っ先に購入したい。
4番目はVeritas Conc.75
やや歳入ったオジサンが率いるサイケロックバンド。
Dr.の兄ちゃんが着ていたBlack Sabbathを連想させるブルージーなサウンドで踊り狂う人も多々出没。
ギターソロが長い曲が多くて少しくどい印象だったが、サイケロックとは何たるかを忠実に表現していて良かった。
最後は待ちに待ったGREENMACHiNE。
セットリストは過去三枚の中から人気曲を披露。
グリマシ最高~ッ!!!!!!!!!!!!!!!!
と躊躇無く言える様なライブだった。
とにかく凄いの一言に尽きる。
Redsheerでも驚かされたが音の厚みがその上を行くレベルでただただ圧倒された。
衝動感溢れる轟音ギター、うねりながら響くベース、ここぞとばかりに主張するドラム、そしてブチ切れるMonzawa氏の声、全てに置いて格好良いのである。
初っ端からBlack Summerを演奏すると会場もヒートアップ。
今までの鬱憤を晴らすかのようにモッシュが起こるのなんの、熱量が半端無かった。
曲順はあまり覚えていないが3rdから順々に演奏してたと思う。
個人的に好きなPunisherやANIMAなど疾走曲が多く占めていたのは嬉しかった。
そして小休止を挟んで演奏したのがあの Burdens of Karma。
カァルマァァァァッー!!!!!!!!!!!と我慢出来ずに一緒に叫んでしまった。
後半のギターソロもこれまた堪らない格好良さなんだよなぁ。
疾走曲だけじゃなく持ち前のドゥーム曲もちゃんと披露。
1stのタイトル曲であるD.A.M.Nが聴けたのもまた嬉しかったね。
ノリノリにさせるリフが何とも言えない気持ち良さだし、実際味わってみなければ分からないグルーヴ感はもう素晴らしい。
アンコール曲には72% DecayとHAMMER and BURNER。
最後にこの曲を持ってくるのはズルいな。
疾走に次ぐ疾走、疲れ果てていたオーディエンスも復活してモッシュが再び。
バンドメンバーが退場するまで熱が収まらない最高に黒い夏であった。
「洋楽邦楽問わずバンドというのは永遠に続くものじゃないから行ける機会に行かなければ絶対に損するぞ。」
以前兄が言っていた言葉を帰り間際に思い出す。
実際に観に行って感じる音の良さはヘッドホンで聴く音の良さとはまた別物だと思うし、観たいバンドの現メンバーでの活動がいつ終わるかも分からない。
観たいと思ったものはとことん観に行くべきだと実感した日であった。