Kill For A Dream

音楽、アニメ、漫画についてひそひそと...

Fiction In Hope

 

 

 

長期の休み明けというものはいつだって気持ちが沈むものだ。

数日過ごせばまた休日があるのにも関わらず、自分を奮い立たせる気力すら起きなくなってしまう。

初夏のような気温も拍車がかかる要因となり、気分が晴れることは中々無い。

 

 

 

こういう時に僕が聴くのはいつも決まっている。

 

 

 

Crossfaith 『The Artificial Theory For The Dramatic Beauty』

  

f:id:svnrshxcx:20150421003432j:plain

 

 

 

一昔前まではラウドロック界隈でそこそこの知名度であったが、ラウドシーンが段々と人気を博すようになってからは彼らを知る人が多くなったと思う。

 

エレクトロニカを取り入れながらもメタリックな音を基盤としているメタルコアバンド、Crossfaith。

 

昨年、メタルバンドが数多く出場するイギリスのフェスDownload Festivalのメインステージの前座を努めたことで話題になり、また大手レーベルSonyと契約してメジャーシーンに乗り込んできたことは記憶に新しい。

 

 

 

 

 

僕は正直に言って、ラウド系やメタル系の音楽とは無縁の人間だった。

パンク系はまだ聴ける範囲ではあったが、メタルバンドはほとんど聴いてこなかったし、liveもオーディエンスや音が騒々しい印象があったため自分が関わるのはほぼ無いだろうと思っていた。

高校時代は俗に言うロキノン厨の全盛期でこの手のジャンルには全くと言って良い程関わりがなく、大学に入学してからもブリティッシュロックこそ至高などと恥ずかしい事を宣っていたためHR/HMが好きな友人にはあまり良い印象を持たれてなかったと思う。

 

 

 

 

それからある程度年月が経った頃、ひょんな事からチャラい友人にこのバンドを教えてもらう機会があり聴いてみた。

 

 

 

今考えても理由がさっぱりとしないのだが、何故かその時はメタルサウンドに抵抗が無くなっておりすんなりと受け入れられるようになった。

ただピコリーモと呼ばれるジャンルは今でも好きにはなれないし、日本のラウドロック勢に関してはこのバンド位しか聴かない(Her Name In Blood、coldrain、Hone Your Sense、Each Of The Daysなどのメタルコア系は好きである)。

 

 

 

そして現在、ロックよりHR/HMのCDを集める事が好きになりバリバリのメタラーになってしまった今でもこのバンドを気に入っている。

 

 

 

Crossfaithの最高傑作は?と聞かれたらたぶんこの1stかミニアルバムであるZION EPと答える人が大半じゃないだろうか。

無論、ZION EPも僕は好きだし、彼らのオリジナリティが1番確立している作品だと思う。

 

僕は後者の人には申し訳ないが前者に軍配が上がるかな。

 

 

 

1stが何より素晴らしいのは、メロデス要素のあるギターフレーズやエレクトロニカの叙情性が他のアルバムよりズバ抜けている点である。

他のラウドロックバンド勢と比べて差別化できているのもこの辺りのセンスが良いのが理由ではないかと個人的には思っている。

 

 

荒削りな部分も多いためか、As I Lay DyingやKillswitch Engageなどのメロデス寄りのメタルコア系サウンドに酷似していると言う人も少なくはない。

 

ただ、現在飽和状態となっているジャンルであるメタルコアに強めな個性を求めるのは既にナンセンスだと思うし、むしろここまで海外勢に引けを取らないクオリティを1枚目から出している事実に注目すべきだと思う。

 

 

#1~#4の流れが僕は特に好きであり、テンションが下がること無く展開するので思わずヘドバンしたくなる程だ。

 

#2のMirrorは開始早々爆走する必殺ナンバー。Tatsu(Dr.)の超絶ドラミングもこの頃から片鱗を見せている。Koie(Vo.)のブチ切れたスクリームは日本の若手の中では比較的高水準な気がする。サビのシンセパートが個人的には好き。

#3のBlueはこのバンドで1番の出来なんじゃないかと思う程好きである。Kazuki(Gt.)の繰り出すギターリフはまさにメロデスそのものだし、徐々に高めさせていくブレイクダウンも程良く展開している。中間部のエレクトロニカも違和感無く取り入れており、ただの劣化コピーでは無い事を証明している要素では無いだろうか。

 #4のFiction In Hopeはシンセとブレイクダウンが連なるような展開が多い曲。デスコアっぽい雰囲気も兼ねているためこれもまた好き。Teru(Key.)のセンスの良さがこれでもかという位分かるのも個人的には飽きない点だと思う。

#5や#8のシンセインスト曲もメリハリのある流れに沿って位置してあるため、この辺りも僕は嫌いではない。#8のChemicariumに関しては余韻を残す感じで中々好みの曲だ。

 

 

少し贔屓目に語ってしまったが、僕にとってはHR/HMにハマるキッカケとなったバンドであるし今でもよく聴いている。直球メタルがイマイチ好きになれない人でもこれならイケるという人は居なくはないはずだ。

 

 

国内ラウドシーンに居座っているバンドに飽きてしまったら、取り敢えずこのバンドから聴いてメタルに目覚めていくのもアリなのでは。

 

 

 

 

メジャーシングルであるMadnessには正直落胆せざるを得なかった。

 

彼らが前々からアメリカのラジオで時たま耳にするバンドになりたいと発言していたのは知っていたし、よりメジャーになるためにキャッチーなサウンドにシフトしていくのだろうとは何となく予想していた。

確かに十八番であるスクリームを封印してクリーンヴォイスを多く活用したのはそれはそれで味があるし悪くはない。しかし、Madnessでは彼らの魅力的な部分の1つであるメタリックなサウンドまでもが大きく減退していた。これではただのスクリーモバンドと何ら変わりなく、差別化出来ていた立ち位置も暗雲が漂う気がしてならない。

キャッチーな路線で行くなら開き直って行って欲しいだけに中途半端なシングル曲となってしまったのがいたたまれない気持ちになった。

 

 

 

次作のアルバムにはメタルサウンドを少しでも良いから保って欲しいと願うばかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

youtu.be