Kill For A Dream

音楽、アニメ、漫画についてひそひそと...

Liam Gallagher Japan Tour 2018 at Budokan 感想

 

 

はたまた長期間も放置してしまった当ブログであるが、書き綴りたい気持ちをどうしても抑え切れなくなったので投稿したい。

1月のギグの感想以来、新譜のレビューやその他のギグの感想の下書きを書いては消すのを幾度なく繰り返してしまい(僕自身の忙しさも勿論あったが)、結局今まで更新せずに居たがこの記事が無事投稿出来る事を切に願いながら書いていく事にする。

 

 

昨今のブリティッシュロック界においてこの男を抜きにしては語れないフロントマン、Liam Gallagherの来日公演に行ってきた。

昨年の下半期からこの男の飛ぶ鳥を落とす勢いでロックシーンにカムバックしてきたのは洋ロックリスナーの方々ならとっくにご存知だろう。Beady Eyeの解散後、Liamは兄であるNoel Gallagherのソロ活動の順調な活躍振りとは対照的に自身の私生活の崩壊などにより(こればかりは筋金入りの信者である僕でも擁護は出来ない、何であんなに綺麗な嫁さんと別れたんだよ...)段々と「あの人は今!?」状態となりつつあった。

SNSにおいても口を開けば兄貴の悪口を言うばかりで、僕自身もこの人が再びこの業界に返り咲くのはもうあり得ないのかもしれないな...と思い始め、ニュースサイトで隈無く最新情報をチェックするのをすっかり止めてしまっていた。

 

しかし昨年の上旬に自身がソロ活動を行うと発表し、6月に新曲『Wall of Glass』の公開、故郷にあるマンチェスター・アリーナで起きた悲劇のテロ事件を追悼するチャリティーイベント、「One Love Manchester」のゲスト出演での00年代初期の勢いを彷彿とさせたパフォーマンス、「Sonic Mania」や単独追加での来日公演など数多のライブを精力的にこなし、10月6日には1st Solo Album 『As You Were』をリリース。

 

 

『As You Were』について、僕は2017年における年間ベストに入る1枚だったと今でも思っている。作曲の多くを外部エンジニアに委託する方式にしたとは言え、終始曲がすこぶる素晴らしいのだ。

パンチの効いた数曲で攻めていくよりかは、アルバムトータルで聴かせる1枚であり、彼の飾らないかつふてぶてしいアティチュードが詰まった名作だろう。Beady Eye時代と比較すると然程変わらない内容ではあるが、Oasis時代から鳴らしていた今でも色褪せる事のないブリティッシュロックをベースにモダンさを取り入れた曲調で自身が思い描くロックはコレなんだと示した1枚であった。

 

 

 

話が逸れてしまったが、前回のBeady Eyeの横浜アリーナ公演以来から今回の来日公演まで僕はLiamのライブを体験していなかったため今回だけはどうしても行かねばならないと決意しアリーナ席で観る事に。武道館で観るのは恐らく兄Noelが2nd Albumのツアーでの来日公演以来だと思う。兄弟入れ替えで観る事になったのも何か因縁めいたものを感じる(僕だけに当てはまるケースなので何も意味をなさない)。

最近HR/HMに分類されるギグに観に行っているせいなのかまず人の多さに驚かされたが(Queens of The Stone Ageの単独公演でも同じ事を思ってました、すんません)、これだけの人気があるなら彼もまだまだ健在なんだなと改めて認識したのであった。

開演前ではアリーナ席自体はほぼほぼ埋まっていたものの、スタンド席はちらほら空席が見えたのでオイオイ...大丈夫かよ今回と不安になっていたが公演中に見渡すと結構の割合で埋まっていたので結果として成功した方のかなと。

セットリストは既にSNS及び専用サイトで記載されているので割愛。

 

 

 

 

Liam Gallagherはやはり唯一無二のヴォーカリストである。どれだけ月日が過ぎようとも彼の声は多くの人々を魅了するだけの力強さが備わっているのだ。

 

 

 

 

いやはや最高だった。肝心の喉の調子自体も近年においては比較的良かった方なのではと思う。

以前から思っていたのだが、Liamのパフォーマンスはフェスなどの野外ステージよりもライブハウスなどの屋内ステージであれば申し分無く発揮出来ているのではないかと。彼が機嫌良く伸び伸びと歌っている姿を観たのは随分と久しい(動画で観ている分も含めて)ような気がする。

バックの演奏陣のアンサンブルさよりもLiam本人の声を重視した音響設定だったのは正直意外であったが結果として成功したと言って良いだろう。楽器隊も昨年動画で観た際には微妙な感想を抱いていたのだがNoelのギターパートを卒なくこなしていたり、『Champagne Supernova』でのピアノパートではしっとりと弾いていたりと悪くはなかった。

セットリストの半数以上をOasis時代の曲で構成されていたのは少々やり過ぎなのでは...と思ってしまったがそれがむしろ功を奏したのかオーディエンスの歓声が止む事は殆ど無かった。アンコールで立て続けに披露したのも素晴らしい構成であった。

Oasis時代ので僕が最も感極まったのは最初のアンコールで『Supersonic』のドラムのイントロが聴こえた瞬間だろう。過去のセットリストを見ていくとそれなりに入っている曲ではあるが僕がOasisを初めて聴いた際にすぐさま聴き込んだ曲がこの曲であり、多くの人が熱狂したであろう名曲『Some Might Say』、最近では頻繁に披露されているがLiam自身が歌うのは実に20数年振りである『Whatever』、『Champagne Supernova』、『Live Forever』、シンガロングが起きた『Wonderwall』よりも待ち望んでいた瞬間だった。

僕は聴いてる中で兄Noelがソロとして初めて来日した時にアコースティックver.で披露した場面を思い出していたが、あの時も弟の声で聴けたらなあと思っていたのだ。この瞬間に立ち会うのを何度待ち望んでいたか計り知れない。Oasis初期で見られたねちっこくも堂々たる声で歌い上げる姿を観て、あぁ...コレが聴きたかったんだよと感傷的になっていた。

Beady Eye期の『Soul Love』が聴けたのも嬉しい、本人はセールスが段々と落ちて行った事を気にしているのかもしれないが2枚とも良いレコードなのだから今後も2枚からセットリストに多く取り入れるべきだし、その方がより良い構成になる筈だ。

 

『As You Were』では聴きたかった『Come Back to Me』や『I Get By』、『When I've In Need』が披露されなかったのは残念であったが、個人的にハイライトチューンである『Greedy Soul』や『You Better Run』が聴けたのが良かった。やはりLiamの声に最も相応しいのはパワフルなロックナンバーだろう。『Wall of Glass』は彼のソロ活動の幕開けとなった1曲であるし、ブリティッシュロック特有である湿り気がありつつも哀愁あるギターロックサウンドを身に纏いながらガツンと歌うシーンをこの目で確かめる事が出来たのは本当に嬉しかった。『I've All I Need』、『For What It's Worth』については言わずもがなであった。

 

 

2度のアンコールを含め、約70分弱のショーで彼らは舞台から姿を消し会場の照明が付いたのでこれで終演かと思いきやまさかの3度目のアンコールで3rdのアルバムタイトルである『Be Here Now』が。予めセットリストに組まれていたのかサプライズなのかは定かではないが(最後のMCでまだ終わっていないと言っていたらしく恐らく前者だろうが)そそくさと退場していたオーディエンスが慌てふためく自体に。

20年前にOasisとしてこの会場で演奏した事を踏まえた上での演出なのではないかと思う、中盤のMCでそれらしき事を喋っていた気がする。タイトル通り、Liamという人間がここにロックシンガーとして再び立っている事を実感させるラストであった。

 

 

 

 

今回のセットリストの反響やこの公演後を機にOasisのリユニオンを熱望する声が数多く見掛けるようになったが、僕はそれが必ずしも正しいとは限らないと思う。

勿論Gallagher兄弟2人がバンドとして再びロックシーンに戻ってくる事を僕も望んではいるし最終的にそうなれば良いと思ってはいるが、NoelだけでなくLiam自身もまた1人で歌う事を選んだのだし結果としてそれが成功した現在をまずは祝福したいのだ。また、Oasis時代やBeady Eye時代だけでなく、この『As You Were』においても同様に素晴らしいレコードである事を今回の公演を通して再認識したし、これからも声を大にして伝えていきたい。

 

 

 

 

 

f:id:svnrshxcx:20180915193925j:plain

 

 

 

 

 

Leave Them All Behind 18' 感想

 

 

 

長い間更新せずに放置してしまった当ブログであるが、どうしても書き綴りたくなったので投稿したい。

 

 

f:id:svnrshxcx:20180115112134j:plain

 

 

ドゥーム/ストーナー/スラッジ界において最も"""Dope"""なバンド、Sleepの来日公演に行ってきた。それも2日間もである。

来日公演の企画が昨年Daymare Recordingsから発表された時、僕はこのSleep 来日というワードを見て思わず「え、嘘でしょ?嘘だよな...?」と二度見してしまった。

ドゥームメタルバンドの来日はわが国ではあまり需要があるとは言えないし、数年または10年に中堅のビッグネームのバンドが1度来るか来ないかのレベルだと思う。だからレジェンドとされるSleep等は最早本国であるアメリカや他国のフェスで観る他無いだろうなと薄々感じていたのだった。まさか日本でSleepを観られる日が来ようとは想像だにしなかった...。

 

 

東京公演初日である12日では、恵比寿リキッドルームにて開催。

会場に入る際あまりにも興奮し過ぎて入場前に掲示されていたフライヤーを撮るのを忘れてしまった(後々撮ろうと思ったものの、とある外国人がそれを取って帰ってしまったため結局撮れずじまいに、地味に悔しい...)。

 

そしてライブは19時からスタートした。まず、トップバッターは日本を代表するヘヴィロック・トリオBoris

昨年の年末の単独公演でも彼らを観ていたがBorisにしか出せない轟音はやはり何度観ても素晴らしい。1st『Absolutego』や2nd『Amplifier Worship』を彷彿とさせるドローン/スラッジドゥームテイスト満載の最新作『Dear』中心の楽曲を今回も披露。耳栓をしていても身体全体に振動し響き渡る音は何度聴いても凄いと思わされる。ドローン一辺倒な展開とは決して無く、時折魅せる歌謡ロック風なサビもありまさに剛と柔が合わさったヘヴィロックサウンドなのだ。この音楽性はこの人達にしか成せないのだなあと感心する。

中盤でサプライズゲストにMutoid Man(ex.Cave In)のStephen(Gt./Vo.)が登場。

ツイン/トリプルギター編成でまさかのヘヴィロックチューン「あくまのうた」が。去年の単独公演においてもENDONのGt.とVo.がゲスト出演して披露していたが、やはりこの曲はインストのみの方が素晴らしい。ストレートなギターフレーズが聴いててとにかく堪らないのだ。会場を温めるにはもってこいのゲストショーであった。

 

 

そして20時30分辺りからオーディエンスが待ちに待ったSleepの登場。

サウンドチェックの時から既に僕も含めた観客の熱量が凄まじかったのを鮮明に覚えている。ステージ前のカーテンが開かれるまで、本当に彼らは来日して今ステージ奥に居るのだろうか...?と半信半疑な気持ちが演奏開始前まで拭えなかったが、去年シングルとして出た「The Clarity」のイントロが聴こえてきた瞬間に「マジなんだ...マジでSleepが今ここでサウンドチェックしてるんだ...」と段々と現実味を帯びた思いになった。

そしてあのストーナーメタルの大法典『Dopesmoker』の序盤のリフからカーテンの幕が開かれた。ここで観るまで何周もしていたあの音と共に演奏陣の顔ぶれが見えた瞬間鳥肌が立ったのが今記事を書いてる間にも思い出す事が出来る。セットリストは既にSNS上で出ているので割愛。

 

 

Sleepはドゥーム/ストーナー/スラッジにおいてだけでは無く、ヘヴィロック史においても重要なバンドであろう。それだけは否定しようのない事実なのだ。

 

 

スタジオ音源以上にヘヴィな音作りにまず驚かされた。まさかBoris以上に"""轟音"""が自分の耳に響き渡るとは観るまでに思いもしなかったのだった。僕は一応耳に支障をきたすのを恐れて耳栓を付けていたが、付けている意味など無いかのように通り抜ける厚みのある音だった。

Matt Pike(Gt.)の繰り出すヘヴィなリフはリキッドルームの環境のせいなのか、PAが上手く調整してくれたのかは分からないがとても心地良い音であり、興奮し過ぎてドリンク交換さえしてなかったシラフな僕でも充分酔いしれるものであった。High on Fire活動初期のレミーライクなマッチョな風貌とは程遠いファットな体型ではあったが、それが返って今現在のSleepが目の前に居るという事実を表していて(何言ってんだこいつと書いてる僕も思うのだが、本当に来るのかどうかわからなかったのだから仕方無い...許して下さい汗)コレこそがストーナーリフメーカーの重鎮たる佇まいなのだと感じ取れたのであった。

『Dopesmoker』の反復しつつも一定のリズムをベースに繰り出す陶酔感のあるリフは彼あっての成せる業である。約30分間演奏が続いたと思われるが体感的には10分位にしか感じられなかった程あっという間であった。まさにエルサレムへの道へと手を取って連れて行かれるような幕開けであった。

そして『Sleep's Holy Mountain』のハイライトチューンである「Holy Mountain」が。

ここからはAl Cisneros(Ba./Vo.)、Jason Roeder(Dr.)も徐々に存在感を表していく。一見Sleepの根幹はMattにあると思われがちだが、真の核はAlのベースラインにあると思う。Omの作品を聴いてからは僕はそう思い始めていたし、彼らのライブを観てそれは確信に変わったのであった。ギターに負けず劣らずな低音がサイケデリックさをより増長させ、ストーナー特有のスモーキーな音となっていく。これがもう本当に最高なのだ。

また、Jasonのドラミングは経験者では無い僕でも凄味が感じ取れた。Neurosisにおいては然程分からなかったのだがSleepがライブバンドたる所以は彼にあると言わざるを得ない。誤解を恐れずに言うならば、MelvinsのDale Croverのドラムを彷彿とさせた。タメの効いたリズム、ズレからの一転力強いショットがバンドサウンドを強靭なものにしていた。スタイルは異なるだろうが、昨年観たSumacのDr.であるNick YacyshynやMantarのDr.であるErincと同様に思わず凄いなと口にしてしまったドラマーであった。

 

「The Clarity」はOmのような宗教的な雰囲気が合わさったスペーシーな曲で、ライブにおいても同様に感じ取れた。もし、彼らが新作を作るならばこのような曲が多くなるだろうと思う。

 

「Dragonaut」のあのイントロが聴こえた瞬間、会場のボルテージは最上級に上がったと思う。中には興奮のあまり泣き始めた人も居て、その近辺に居た僕も思わず貰い泣きしそうになった。中盤のエピックな展開からモッシュやサーフが発生。気持ち的に分からなくも無いのだが、流石にちょっと違うなと違和感を感じてしまった。ドゥームにサーフやモッシュは場違い感があると思うし、こればかりは最後まで首を傾げていた。

その他「Aquarian」、「Sonic Titan」など近年披露しているセットリストで展開。

 

そして2ndの終盤で聴く名曲「From Beyond」が。静と動の展開がスタジオ音源よりも更にスローで構成されていて、まさにドゥームここに極まれりと言った所であった。ドゥームメタルは遅くてなんぼのジャンルである。僕は上記の曲よりこの曲が2ndの中で1番好きだしこの最遅なアレンジが堪らなく気持ちよかったのだった。

 

「Nain's Baptism」、「Cultivator」から「Dopesmoker」の後半が始まった。まさか後半の部分をラストに持って来るとは思いもしなかったので、僕は「マジで!!??ここからDopesmokerの最後演るのかよ!!!」と感極まって叫びそうになった。原曲とただ同じ進み方ではなくJerusalem(Part.4)で見られるリズムチェンジの際の半音下げフレーズを更にアレンジし反復。ドゥームはコレが最高なのだ。昨年末で観たChurch of Miseryでも同じ事を演っていてコレこそドゥーマーが聴き惚れる場面であり、聴いてて良かったと心の底から思わせてくれる瞬間であったのだ。

 

約110分は演奏していたと思う。アンコールは無し。演奏終了後、フィードバックのノイズを垂れ流しにしたままメンバーは舞台裏へと去って行った。最後の最後まで神々しいギグであった...。

 

2日目の『Sleep's Holy Mountain』再現liveも無論最高と言う他無いライブだったし(感想については初日を書くので精一杯だったので少し落ち着いたらまた書きます...)、2日合わせて2万円以上出してもお釣りが来ると思える程の充実した内容だったと思う。僕はこの2日間は自分が今まで観たライブの中でベスト5には絶対入るだろう(勿論、新年早々今年度ベストアクトは自分の中で不動のものとなった)と断言出来る。ヘヴィロックとは何であるか、ストーナーとは何であるかを身体の隅々まで味あわせてくれたSleepのライブを観れた事は僕にとって決して忘れることのない体験であったと言えよう。

来日公演を企画して下さったDaymare Recordingsさんに心から感謝を伝えたい。

 

 

  

Black Summer Vol.2

 

 

梅雨の季節特有のジメジメした空気が肉体的にも精神的にも襲い掛かってくる。

 

快晴でも無いのに暑さが一変しないこの梅雨が僕は特に苦手であり、大学やバイト先に通学通勤するだけでも苦しい思いをする。到着後には顔に汗が垂れている事もしばしば。フェイスタオルが常に欠かせないのが何とも哀れだ。「暑いね~w」と言いながら汗1つかいていない周りの大学生がいつも憎たらしい。

 

 

鬱憤した思いを晴らすためにこの企画ライブに行ってきた。

 

 

f:id:svnrshxcx:20160717224705j:plain

 

 

日本が世界に誇るドゥームメタル3バンドによる三合会ライブである。

 

僕はこの企画の全容を4月のGREENMACHiNEの新作EPツアーの都内公演で知り、グリマシを今年の夏にまた観れると同時にドゥーム/ストーナーメタルの重鎮達も参加するという豪華なラインナップに思わずニヤけてしまった。そして、この時期が試験期間の真っ只中であるにも関わらずチケットをすぐさま購入しこの日を待ち続けたのだった。

 

 

新代田Feverに着いたのが入場時間の15分前。

 

 

Feverにはまだ行った経験が無く、どこなんだろうとマップを参照しながら改札を出た所すぐ目の前にあった。奥行きのある造りで然程窮屈な思いはせずいざライブが始まっても快適に過ごす事が出来たのが好印象でしたね。

 

 

トップバッターは名古屋のストーナーロックバンドEternal Elysium

僕はこのバンドを初めて観たのが今年1月に開催されたDIWPHALANX RECORDS
20th ANNIVERSARY公演であり、渋味のあるストーナー/ブルースロックサウンドを演っていたのが良かったので今回のライブも密かに楽しみにしていた。

 

いや、予想以上に凄かった...。

 

新作を近頃発表したのが契機になったのかは分からないが前回以上に熱量のあるサウンドで始まる前までワイワイしていた会場の空気を一瞬で一変させていた。

何と言っても目を見張ったのが海外勢に勝るとも劣らない王道ストーナーサウンド。

CathedralやElectric Wizard、Orange Goblinそして彼らを抜かして語ってはならないBlack Sabbathなどが得意とする序盤はひたすらスローで展開しつつ後半から徐々にヒートアップする展開は聴いてて本当に気持ちが良い。この音を好きになるのに随分時間が掛かったなあ...としみじみ耽りながら彼らの音を堪能していた。

外国人の女性Bass(Vo.)と岡崎氏(Vo.&Gu.)が交互に歌うシーンはもしかして僕は今Electric Wizardを観てるんじゃないのかと錯覚しそうになった。EWはツインボーカルでは無いけども。新作は早急に手にしたいですね(2枚しかまだ持っていないなんて口が裂けても言えない)。

 

 

次に登場したのが金沢が誇るUltra Primitive Hardcore Rock BandことGREENMACHiNE。

個人的ハイライトはやはり彼らしか居ない。グリマシはいいぞ(遅過ぎるガルパンネタ)

去年の池袋手刀公演から一瞬で虜になり、DIWPHALANX RECORDS20周年公演やFor The Night And Blood EPツアーと計3回程観てきたがどれも最高だったし今回もまた大変素晴らしい内容であった。

全身に突き刺さるような轟音で繰り出すハードコア/スラッジサウンドは唯一無二としか言い様が無いだろう。3rdの名曲「Black Summer」から始まると会場の空気が途端に熱くなった。新作EPからも満遍なく披露しオーディエンスも徐々にノッてきた。僕がほぼ最前列に居たため前列だけが異常に盛り上がってただけなのかもしれないが。

そして2ndの名曲「Burdens of Karma」にNepenthesのSuto(Gu.)氏が参加し、Monzawa(Gu.&Vo.)氏がなんとピンボーカルで咆哮。僕は彼らをまだほんの1年足らずしか観ていないが、この瞬間を間近に観てヘヴィロックというジャンルを好きになれて本当に良かったと感激したのであった。感極まって叫んでしまう位アツ過ぎる演出だった。

僕が個人的に好きなスラッジナンバー「D.A.M.N.」が聴けなかったのは少し残念だったが、最近披露してなかったであろう「Knowledge」が聴けたのは嬉しかった。

そして最後にはお決まりの「Hammer and Burner」で締め。最後にこの曲が来ると分かってはいても最高に盛り上がるからズルいんだよなあ...。Motörheadのあの曲を思わせるロックンロールなリフ&リフでひたすら首を振る他ない。盛り上げ役として申し分ない最高のライブだった。

 

 

この時点で力尽きた僕は後ろに下がり一杯飲みながら一服して休憩。終始最前列に居続ける人達の体力の凄さを思い知った。

 

 

そしてトリは東京のドゥームメタル/ヘヴィロックバンドNepenthes。元Church of Miseryの根岸氏(Vo.)率いる...なんて肩書はもう説明不要だろう。

最終日の最後であるためか会場の盛り上がりが半端ない。同時に怖いお兄さん達がゾロゾロと前に進んで行ったのが少し面白かった。

Nepenthesは昨年の12月単独公演、4月のNoothgrush Japan Tourのアースダム公演と2回程しか観ていないが前回前々回よりもバンドとしての凄味が増している印象であった。「相剋」の闇に引きずり込まれるようなドロドロしたギターワークから始まり重々しい展開で幕を開けた。やっぱりドゥームはこうでなくては。そして最早彼らのアンセム曲と化した「cease」「fool's gold」が。

ネペの何が凄いのかってドゥーミーな曲もそうだけどceaseのような荒々しいロック調の曲も同じくらい格好良い所だろう。速いとか遅いとかそんなのはお構い無しと嘲笑うかのように"ヘヴィ"な音を出すのがとにかく堪らない。根岸氏だけでなく各演奏陣も果敢にプレイする事によって一層曲がギラギラして輝く、観客もまた負けじと叫ぶ。こうしてバンド側とオーディエンス側が共に一体化した瞬間をロックと呼ばずして何と呼ぶのだろうか。この熱が冷める事を知らない光景を後ろから眺めながらふとそう思ったのだった。

 

 

きっとどのジャンルにおいても言えるのだろうが、ライブハウスに行き両者のアツい思いを共有するあの空間は実際に行ってみなければ決して味わう事の出来ないものに違いない。

 

 

 

思う存分堪能できたし、後は試験に専念するのみ。

来月も行きたいライブがあるのでそれを糧にして精進せねば。

 

 

 

 

Sun of Nothing

 

 

 

凍えるような寒さにも幾分慣れてきた2月中旬。

 

 

怒涛の後期末試験が終わり絶賛春休み中なのだが、世間一般の大学生とはかけ離れた大学生なのでスノーボードやスキー合宿などで冬景色の中青春を謳歌しつつゲレンデマジック...とは全くならない。

 

こたつを今年から取り入れ、翌日にバイトがあろうとなかろうと早朝まで暖を取り、ふと気が付けば昼過ぎまで寝ているこの生産性の無い生活こそ僕にとっては最高の春休みなのだ(打っていて惨めになる?そんなことはありません、断じてありません)

 

 

 

怠惰な生活を送っていても欠かさずやる事とは何かと聞かれたらこれしか無い。

 

 

プログレメタル・カオティックコアの雄、Between The Buried and Meの来日公演に行ってきた。

 

 

f:id:svnrshxcx:20160218080302j:plain

 

 

HR/HMにハマりたての頃、プログレメタルにも入り浸ろうと思いDream Theaterを始め代表的なバンドを漁っていた。

その中で僕が最も衝撃を受けたのがこのBetween The Buried and Meだ。

 

ジャンル的にはプログレメタルに分類されるのだが、端的に言えばマスコアやメタルコア、カオティックハードコア、ジャズロック要素なども含めたごちゃ混ぜ感満載のエクストリームメタルである。 

 

彼らの名盤として名高い『Colors』を初めて聴いた時にはあまりの情報量の多さに理解が追い付かず、聴き終えた頃にはとんでもないバンドを知ってしまったな...と思わず苦笑してしまったのを今でもハッキリと覚えている。

 

他の作品にも言えるがどの曲も似通った展開を感じさせず、ブルータルなサウンドが続くかと思えば突如民族音楽が始まったり叙情的な展開になるなど聴けば聴く程面白いバンドだと思う。

 

プログレプログレメタルというジャンルについては様々な意見があるので多くを語るつもりはないが、この『Colors』はThe Mars Voltaの1st、『De-Loused in the Comatorium』と同様に00年代におけるエクストリームミュージックの名盤として評価されるべきだと僕は思っている。

 

去年出た新譜『The Coma Ecliptic』については、前記事で述べた通りプログレ的要素が強く、過去作品と同じく高品質な作品だと思うのだが彼らにしてはやや大人しめな印象であった。例えるのが難しいが誤解を恐れずに言うなら、Opethの『Heritage』の作風に近いと思う。後半になるにつれ彼らの十八番であるカオティックさが戻り結果としてそれ程悪くはないと思ったものの、僕は前作の『Parallax Ⅱ:Future Sequence』の方が良いかなと思ったのが正直な感想だ。

 

 

 

Club Asiaに着いたのがおよそ19時過ぎ頃。

渋谷に向かう際に地元の友人に偶然遭ってしまい、開場時間そっちのけで話し込んでしまったため慌てて向かう羽目になった。ライブを観る時に毎回思うけど時間通りに行けないのは本当に嫌な気分になる、今回はどう考えても自業自得なんだけども。

今回の公演の楽しみの1つであったPalmのライブが結局観れずじまいに終わってしまったので次回こそは観たい。

 

 

大急ぎでチケットを渡し、一服するのも後回しにして会場入りするとすでに人の山が。

前日の情報では今回の公演は客入りがあまり乏しくないと聞いていたのだが、ツアー最終日のせいなのか今日は9割方埋まってたと思う。出入り口から数歩歩くともう人が居る状態だったのでこれは音だけしか楽しめないな...と気落ちしながらも開演時間を待っていた。

10分程度待っていると照明が消え、ライブが始まった。

 

 

 

 

結論から先に言おう。最高

 

 

 

 

音源とほとんど変わらないクオリティーでただただ圧倒されたライブだった...。

 

去年観たMastodonでも同じ感想が言えるんだけど、とにかくもうカオティックでタイトなサウンド。僕が観るのはこれぞメタル!!!ロック!!!と振り切ったサウンドのバンドがほぼ占めているため、彼らのような技巧派集団を観るのはこれまた違う世界観を味わうことが出来た。

 

デスメタルなパートは疾走しつつもきっちりとこなし、プログレッシブなパートは自己陶酔に浸ること無くオーディエンスにじっくり聴かせるように展開する。アバンギャルドとはこういう音を指すんだろうなぁと彼らの演奏を聴きつつふと思ったのであった。

 

途中からモッシュピットが出来たので避けながら最前列から三列目辺りまで移動。

 

セットリストは新旧譜万遍なく合わせた曲順。

新譜からは「The Coma Machine」「Famine Wolf」「The Ectopic Stroll」の3曲を披露。

新譜は微妙だったと散々ほざいていた僕もこればかりは手の平を返す他ない。

過去作に比べアンビエントな方向にシフトした内容であるためか音の分離がハッキリと聴こえ、テクニカルなパートや合間にちょくちょく挟んでいるスラッシーなパートを十二分に堪能する事が出来た。新譜?クールだけどマストな1枚ではないなwwwwと豪語していた自分を殴りたくなった。

 

 

また『Colors』に収録されている「Foam Born (A) The Backtrack」「Foam Born (B) The Decade of Statues」、5th『The Great Misdirect』の「Mirrors」「Obfuscation」を立て続けに聴けたのも良かった。今回は新譜のツアーで来たんだし『Colors』再現liveではないと分かってはいてもあの続きをどうしても求めてしまう...何とも罪な曲である。

 

アンコールでは『Alaska』の名曲「Selkies:The Endless Obsession 」を披露し幕を閉じた。この曲は不穏なインストで始まってすぐさま疾走するから好きだ。Tommy Rogers(Vo.)の無機質なデスボイスってクリーンもだけど何故か癖になる。後半の叙情的な展開はまるで映画のエンドロールを観ているような気分にさせる、まさにアンコールにふさわしい曲だった。

 

 

一時間弱とたっぷりと楽しめたのだがあっという間に終わってしまった。欲を言えば『Colors』や『The Great Misdirect』、『Future Sequence』の曲をもっと聴きたかった。「Sun of Nothing」とか「Ants of The Sky」、「Swim to The Moon」「Lay Your Ghosts to Rest」「Astral Boy」「White Walls」などなど...、言い出したらキリがないんだけどやっぱり言いたくなってしまうよ。

 

 

 

次回作も楽しみだしツアーが実現したら是非行きたい。今度は時間厳守で。

 

 

 

 

今年度新譜ベスト





記事のタイトルから見てわかる通り、今年度ベスト〜のような1年間を総括する記事を書くのは
僕がブログをやり始めたらやってみたかった事の1つであった。




偉そうな視点で語るつもりはないが
一応リスナーとして今年の素晴らしかったアルバムを紹介したい。




とは言っても、 今年出た新譜を購入した枚数を数えたら十数枚レベルだったので
その中からヘビロテしたアルバムを12枚紹介したい。






順序は適当なので取り敢えず思い付いたものから紹介。








1、Thousand Eyes 『Endless Nightmare』

f:id:svnrshxcx:20151229063149j:plain

2、Symphony X 『Underworld

f:id:svnrshxcx:20151229013441j:plain

3、Nepenthes 『Scent』

f:id:svnrshxcx:20151229013841j:plain

4、Baroness 『Purple』

f:id:svnrshxcx:20151229014030j:plain

5、envy 『Atheist's Cornea』

f:id:svnrshxcx:20151229014207j:plain

6、Disarmonia Mundi 『Cold Inferno』

f:id:svnrshxcx:20151229014354j:plain

7、With The Dead 『With The Dead』

f:id:svnrshxcx:20151229014520j:plain

8、Amorphis 『Under The Red Cloud』

f:id:svnrshxcx:20151229014707j:plain

9、Between The Buried and Me 『Coma Ecliptic』

f:id:svnrshxcx:20151229014817j:plain

10、Slayer 『Repentless』

f:id:svnrshxcx:20151229015044j:plain

11、Napalm Death 『Apex Predator - Easy Meat』
f:id:svnrshxcx:20151229062907j:plain

12、Faith No More『Sol Invictus』

f:id:svnrshxcx:20151229062937j:plain



ジャンルごちゃ混ぜな感じであるが、概ねこの通りである。



新譜の中で最も出来が良いと真っ先に思ったのはThousand Eyesの新譜だ。
個人的にはメロディックデスメタルのある種の完成形だと思う、それに加え和製テイストを加えた内容なのだから高水準でないはずがない。
これを超えられる作品を彼らは作る事が出来るのだろうか、しがないリスナーとして楽しみにしている。

Disarmonia Mundiもまたこれぞメロデスな曲が多く、文句の付けようがない出来だった。
ライブバンドでは無いと百も承知してはいるが、一度で良いから彼らの演奏を観てみたい。

Amorphisのも同様にベストに入る内容であった。
前作ではややメタリックな曲が多かったが今作ではメランコリックな曲調が過去最高に目立ってた印象だ。
このバンドに関してはハズレ盤を探す方が難しいほど毎回充実したアルバムを出すので多くを語る必要はないと思う。
ファン必聴盤だと思うので購入してない方は是非。



プログレメタルではSymphony Xが1番良かった印象。
Paradise Lost』以降、比較的コンパクトにまとめた正統派路線の集大成な内容で序盤からテクニカルな曲が並び一周目にしてこれは名盤だろうと思えたほどだ。今作ではモダンな作風がかなり取り入れられていたのも個人的には受けた理由の一つかもしれない。まだ購入していない人にぜひ勧めたい。ラウパキャンセルのお釣りが来るレベルととあるリスナーさんが言っていたのも頷ける。

Between The Buried and Meは僕がプログレメタルの中で一番好きと言っても過言ではないバンドであり、今作には尋常ではない程期待していたのだが
Symphony Xには幾分劣る内容だと思っている。高品質な作品なのは間違いないのだが、プログレ要素が一番強いためか持ち前のエクストリームさが過去作より減退していたのが僕にとってはマイナスであった。何回も聴き返すうちにこれはこれで良いと思うようになったけれども。
次作はこれらに加えてもう少し暴れても良いと思う。来年の来日公演も楽しみ。

Baronessは正直予想以上の出来であった。Mastodonと比較されることが多い彼らだが、Mastodonとは別の方向性で個性を上手く確立出来た作品だと思う。スラッジだけでなく純粋なヘヴィロックとしてもアピールできる作品ではないだろうか。




国産の中で良かったのはenvy。

何よりも嬉しかったのが近年作では見られなかった疾走曲の復活である。
2トラックしかないものの、おそらく多くのファンが待ち望んでいた曲であったに違いない。
その後の曲も静と動を上手く練り込んだ曲が最後まで飽きさせずに展開していて良かった。



ドゥーム/ストーナーではNepenthesとWith The Dead。
Nepenthesは前記事で紹介した通り、ロック要素が強めなドゥームで僕にとっては大変満足であった。次作にも期待です。

With The Deadは2大ドゥームバンドが一緒になったスーパープロジェクトで言わずもがなの出来。
Electric Wizardのような深い重さにLee Dorrian(Vo.)の不穏な声が合わさりおどろおどろしいサウンドとなったのがまた良かったですね。



Slayerもベストには何だかんだ入るかな(おそらくスラッシュ系の新譜はこれしか購入していない...泣)。

良くも悪くも彼らしか生み出せないサウンドを最初から最後まで披露している。しかし今は亡きJeffの穴を埋めるのは難しいのか彼らの十八番である殺伐とした雰囲気が若干薄れている気がした。中盤の疾走曲が今作の中で一番好きですね。



デス/グラインド系も疎い方だが、Napalm Deathは今年に入ってから初めて購入した新譜なので覚えている。

初期よりも00年代以降の作品の方が僕は好きなので(勿論『Scum』や『From~』も好きである)今作も安定した出来で良かった。
パンクテイストが強めの曲が多いためか過去作以上に気合の入った雰囲気が感じられ、現在でも結構気に入っている1枚である。



Faith No Moreは恥ずかしながら今年初めて知ったベテランバンドで、『The Real Thing』や『Angel Dust』を聴き衝撃を受けたバンドだった。
彼らが6年前から再結成をし、今年にニューアルバムを出し来日公演まで行ったのはファンの方々ならご存知だろう(来日公演を知らなかったのが今年1番悔やんでいることである)。

新譜は相変わらず18年のブランクを感じさせないごった煮のサウンドで面白く、中でもMike Patton(Vo.)の渋味のある声がとても良かった。
形容し難い音なのに何故か耳にスッと入り込み不思議な気分にさせる作品だった。





まだ買っていない新譜も数多くある。それらは来年以降に集めることにしたい。




来年の目標は贅沢な悩みですが自分が好きなジャンルを何とか固定したいですね。

out in this harmony

師走の時期になると疲労度がグッと増してくる。
最後の駆け込み期間真っ只中の受験生や年末調整に勤しむ社会人に比べると軽度な忙しさなのだが、
クソ大学生でも忙しくはないと言ったら嘘になるわけで。



試験対策、課題、バイト、そして近い内に嫌でもしなければならない就職活動。
幸い僕は行く業界が固まっているためそれに向けて日々勉強しなければならないが…。




バンド発掘する趣味も最近は頻度が減りつつある。
ほぼ自分のせいではあるが好きなジャンルが幅広くなるとどうしてもアルバムを揃えるのが難しくなってしまう。
さらにレンタル市場には集めたいアルバムが無い、中古CD屋に行こうにも置いてあるかは分からないなどマイナーになればなるほど集めるのがしんどく感じる。
いい加減にわか性分を治したい。







先週末に前々から興味があったヘヴィロックバンド
Nepenthesのワンマンショウを観に行ってきた。




f:id:svnrshxcx:20151229072856j:plain





僕がハマり出した頃にChurch of Miseryの脱退騒動が起き、事実上の活動休止状態となってしまい(現在はアルバム制作中のようだが)
観たいという願望が夢のまた夢に終わってしまって意気消沈している最中
脱退したメンバーが以前活動していたNepenthesを再始動すると聞き、ニューアルバムを今か今かと待ち望んでいた。



そして待望の1stフル 『Scent』が発売しすぐにレコード屋へ行き手にしたのがつい数ヶ月前のこと。



初めて聴いた時にはチャーチとの音楽性の違いにやや面食らったものの、何度も聴くうちにチャーチと同様に
素晴らしい作品であると気付き始めた。


ドゥーム/ストーナーを基軸に置きながらもやっているのはロックンロール色強めなヘヴィロックである。
チャーチの場合ブギー、ジャズロックテイストが所々に垣間見えたのだがNepenthesは違う。
真っ直ぐで素直に格好良いと思えるロックンロールを取り入れたドゥームロックをやっているのである。
ロック畑からメタルにハマった僕にとって、これを基盤に置いた曲が多かったのは嬉しい誤算であった。




ドゥームの聖地Earthdomに開場前に着き
開演したのがおよそ1時間後。



客入りは最初は空きがやや見えたものの、演奏始めの頃には7、8割は埋まっていたと思われる。




セットリストはアルバムから順に披露。
二部構成で一部が終わった後注意書きに記載してあった振る舞い酒を堪能し再び演奏。
合わせて約2時間近く演ったと思う。







いや、もう本当に素晴らしかったと言わざるを得ない内容であった。
音源だけでも素晴らしい内容だったのにライブではそれ以上に映える曲が多かった。


とにかく目に付いたのは根岸氏のパフォーマンスである。会場入りする前から見掛けた際既に酒を飲んでいたのが面白かったが、
ライブではすぐさま格好良い佇まいになったのが凄いなと感心させられた。


メタル、パンク、そしてロック全てを難なくこなすあの叫びはもう圧巻の一言。
オーディエンスも魅了されたのか段々と熱を帯びてノリノリになっていった。




楽器隊も負けじと凄味のあるパフォーマンスをしてくれて
初っ端から来て良かったと思わせてくれた。



アルバム曲ももちろん満足の行く内容だったが、中でも僕が格好良いと思ったのは後半の以前演っていたと思われるサイケ曲だった 。
荒々しいサウンドから一転、サバスや70年代ハードロック勢を匂わせるサイケロック調になり、
掻きむしるようなギタープレイが延々と続く様を観た時には思わず叫んでしまった。



またドラムのタメの効いたリズムもまた好印象だったし、時にはより激しく、よりタイトにしているのがもう堪らなかった。



out in this harmonyの後半部分を最後に演奏し一旦は終了。まだまだ冷め切っていないオーディエンスは
すぐさまアンコールの嵐。
バンド側は全て演り切ってしまったらしくもう手持ちの曲がないと言ってドッと笑いが。



最後の最後に2回目のFool's Goldを演奏し今度こそ終了。
とにかく最高としか言い様がないライブでした 。






次回もまた行きたいと思ったし、個人的には来年新作を出す予定のGREENMACHiNEと是非対バンして欲しい。



これでライブは見納めにして学生の本分である学業に力を入れなければ…





来年も多くのライブに行きたいものですね。

Black Summer

 

 

 

うだるような暑さに悩まされる季節がやってきた。

 

 

 

 

毎度毎度のニュース番組で「今年は過去最高気温を随時更新しています。」というニュースを目にする度に、陰鬱になるような報告をわざわざ言う必要はないのでは...と独り言を呟くが、虚しく終わり部屋の中で暑さに苦しむだけなのである。

 

 

 

学生の身なので長い夏休みを貰ったものの、多大な量の課題の消化とバイトで消えてしまうのが恒例。

ごくたまに友人と飲んだりするが定期的に飲むわけでもない。

それ以外は特に外出せず、アニメや音楽観賞に暇を潰すのみ。ビバオタク人生。

 

 

 

この暑さの中で耐えながら出勤する社会人の方々には頭が下がる思いだ。

 

 

 

 

新鮮味のない生活を改善するため、とある企画ライブに行ってきた。

 

 

 

f:id:svnrshxcx:20150813002956j:plain

 

 

 

 

金沢が誇るUltra Primitive Hardcore Rock Band、GREENMACHiNEが都内に来ると聞いてこれは行かねばと思い暑さに負けずに観に行ってきた。

 

 

 

 

 

僕はメタルやロックに限らず国産のアンダーグラウンドシーンにはそれ程精通してはいない。

というのも、そのジャンル毎の先駆者たるバンドを漁るのに精一杯になってしまい、当然国外のバンドに焦点を当てることになり国産を漁るとなるとどうしても後手に回る回数が多くなってしまうのだ。

これもまた言い訳になってしまうがまだまだにわかな部分が多くあるため、その手の界隈でノリにノッてるバンドやレジェンドを知る機会があまり少ないのも理由の1つである。

 

 

 

そんな中、ドゥームメタルにハマったキッカケになったのがこのGREENMACHiNEとChurch of Miseryだった。

 

 

バイト先の同期の中にメタラーである人が居て、国産で格好良いバンドを教えてくれと聞いてみたところ、「それならChurch of MiseryとGREENMACHiNEが格好良いよ。」と教えてくれた。

 

 

それからDisk Unionで血眼になって探し、なんとかGREENMACHiNEの1st Album 「D.A.M.N」、2nd Album「The Earth Beater」を手にすることが出来た(3rdはitunesの方が安かったのでそちらで購入した)。早速インポートして聴いてみることにした。

 

 

そして「The Earth Beater」の#1 Burdens of Karmaを聴いて頭をぶん殴られるような衝撃を味わったのがおよそ半年前。

 

 

語彙力が乏しいためこのバンドの凄さを伝えることが難しいのだが、一言で言ってしまえば"""最高にクール"""なバンドなのである。

ストーナーロックを基盤としてドゥーム、ハードコア要素を上手く組み合わせていて、ヘヴィーなサウンドながらも爽快感が味わえる楽曲が多い。

ドゥームメタルの中でも比較的聴き易い方だと思うしロックが好きな人達にもアピールできるバンドだと思う。

国産の中でもこんなに格好良いハードコアバンドがいるのか...と改めて思い知らされたのだった。

 

 

会場に着いたのがおよそ18時前。

 

 

同期の人と行こうと思ったのだがあいにく都合が悪いらしい。

ぼっちで観るのにも慣れているので心細さもなくいざ受付へ。

ライブは既に始まっていて大急ぎでチケ代を払い、会場のドアを開けた瞬間ライブハウス特有のデカい音が身体に響いてきた。

 

 

 

トップバッターのG.a.t.e.sは元Church of miseryのVo.根岸氏が所属しているバンドということは知っていた。

動画で予習せずに観たが結果として格好良かった。

とにかく疾走するパンクサウンドで聴いてて気持ちが良かったし、何より根岸さんの叫びにキレが良くてもう言う事なしであった。

Ba.の人がDan Lilkerな風貌で個性的だったのが記憶に残っている。

音源が出たら是非手に入れたい。

 

 

 

2番目はThe 幻覚NEONS。

見るからにヴィジュアル系な人達で少し面食らったもののサウンドは正統派ハードロックで驚かされた。

Vo.のお姉さんがノリノリに盛り上げて会場もにこやかになってたのが印象に残っている。

 

 

3番目はRedsheer。

予備知識無しで観たバンドの中でかなり良かったのがこのバンド。

3ピースという構成なのにも関わらず音の厚みが凄くてまず圧倒された。

肝心の音楽性はというとThe Dillinger Escape Plan、Convergeといったカオティックハードコアを軸にenvyやheaven in her armsのような和のテイストを加えた叙情的なサウンド。

静と動の展開はまさに国産ならではの持ち味だなあと観ながら感心。

物販で音源が売っていたので購入しようと思ったものの、バンドTシャツ代の予算しか持っていなかった事を思い出し泣く泣く見送るハメに。

次こそは真っ先に購入したい。

 

 

 

4番目はVeritas Conc.75

やや歳入ったオジサンが率いるサイケロックバンド。

 Dr.の兄ちゃんが着ていたBlack Sabbathを連想させるブルージーなサウンドで踊り狂う人も多々出没。

ギターソロが長い曲が多くて少しくどい印象だったが、サイケロックとは何たるかを忠実に表現していて良かった。

 

 

 

 

 

 

最後は待ちに待ったGREENMACHiNE。

 

 

 

 

セットリストは過去三枚の中から人気曲を披露。

 

 

 

 

 

 

 

グリマシ最高~ッ!!!!!!!!!!!!!!!!

と躊躇無く言える様なライブだった。

 

 

 

 

 

 

とにかく凄いの一言に尽きる。

Redsheerでも驚かされたが音の厚みがその上を行くレベルでただただ圧倒された。

衝動感溢れる轟音ギター、うねりながら響くベース、ここぞとばかりに主張するドラム、そしてブチ切れるMonzawa氏の声、全てに置いて格好良いのである。

初っ端からBlack Summerを演奏すると会場もヒートアップ。

今までの鬱憤を晴らすかのようにモッシュが起こるのなんの、熱量が半端無かった。

曲順はあまり覚えていないが3rdから順々に演奏してたと思う。

個人的に好きなPunisherやANIMAなど疾走曲が多く占めていたのは嬉しかった。

 

 

 

そして小休止を挟んで演奏したのがあの Burdens of Karma。

カァルマァァァァッー!!!!!!!!!!!と我慢出来ずに一緒に叫んでしまった。

後半のギターソロもこれまた堪らない格好良さなんだよなぁ。

 

 

疾走曲だけじゃなく持ち前のドゥーム曲もちゃんと披露。

1stのタイトル曲であるD.A.M.Nが聴けたのもまた嬉しかったね。

ノリノリにさせるリフが何とも言えない気持ち良さだし、実際味わってみなければ分からないグルーヴ感はもう素晴らしい。

 

 

 

アンコール曲には72% DecayとHAMMER and BURNER。

最後にこの曲を持ってくるのはズルいな。

疾走に次ぐ疾走、疲れ果てていたオーディエンスも復活してモッシュが再び。

バンドメンバーが退場するまで熱が収まらない最高に黒い夏であった。

 

 

 

 

 

 

 

「洋楽邦楽問わずバンドというのは永遠に続くものじゃないから行ける機会に行かなければ絶対に損するぞ。」

以前兄が言っていた言葉を帰り間際に思い出す。

実際に観に行って感じる音の良さはヘッドホンで聴く音の良さとはまた別物だと思うし、観たいバンドの現メンバーでの活動がいつ終わるかも分からない。

 

 

 

 

 

観たいと思ったものはとことん観に行くべきだと実感した日であった。